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本質を追求した授業,良好な人間関係の築き方を綴ります

Category: クラス作り
お洒落な先生
 私は午後になると衣装替えをします。靴下も替えます。
 
 昨日の午前中はボーダーの七分袖のTシャツを着ていました。
 午後は「FRED PERRY」の黒の半袖ポロシャツです。

 「あれ!先生着替えた?」
 「えっ!気づかなかったの?」
 「そういえば,午前中はTシャツだっだよね」

 子どもは感じないと思っていますが,これほどとは……。
 しかし,この後の子どもの感性には脱帽です。

 「先生の(ポロ)シャツ,カッコいいよね」
 「?」
 今夏は初めて着ましたが,昨年も着ていました。持ち上がりですから,子どもたちは昨年も目にしているはずです。
 「袖が格好良いよね。右袖は白,左袖は金の縁取りでしょう」
 「それってバーバリー,ユニクロ?」
 思わず笑ってしまいます。子ども達とってバーバリーもユニクロも同じブランドだと思っているのです。

 今日は,クールビズでアロハシャツです。
 「先生,ハワイの服みたい」
 子ども達はアロハシャツというカテゴリーを知らないようです。

 教師の制服と言えばジャージです。
 私は毎日ジャージを替えます。時には日に数回履き替えます。
 上履もN社とNB社を交互に履き替えます。常時3足の上履きを学校に置いてあります。
 週末は学校で上履きを洗います。
 持ち帰っていない子どもの上履きもついでに洗います。

 先生は綺麗好き,お洒落だと子ども達は思っています。
 これって大事なことです。
 どんなことでも「先生は凄い」と子どもに思わせることが威厳のベースになるのです。

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Category: クラス作り
友達への注意は「為ならず」
 「注意しなかったから,連帯責任です!」
 子ども達は「仕方がない」と教師の言葉を受け入れます。

 読者の皆さんは,「今時,連帯責任は時代遅れ」と首を傾げるでしょう。
 
 冒頭の言葉をもう一度見てください。「連帯責任」の前に「注意しなかった」があります。
 「注意しなかった」という言葉がポイントです。

 子ども達はゴミが落ちていても拾いません。
 それどころから,無意識にゴミを避けて歩きます。
 友達の「悪さ」についても同じです。
 感じないのです。気づかないのです。

 おかしいことはおかしい。間違っていることは間違っていると感じて欲しいのです。
 自分が感じた証しとして「注意しなさい」と言っているのです。
 注意できるということは「おかしい」と感じている証拠です。

 そこで,「自分の成長のために注意しなさい」となったのです。
 一つだけ条件があります。それは「一つだけ」です。
 国語の教科書の「ひとつの花」みたいですが,まさに一回だけの注意です。
 それ以上の注意は相手の反感を買います。人間関係を疎遠にします。
 何回言っても改善されないのは「今はその時期ではない」ということです。
 こういう時は潔く引きます。次回を待ちます。

 自分の気付きを確かめるために一回だけ注意をします。

Category: クラス作り
反省のキーワードは「比較」
 子ども達を叱る基準は「私」です。

 休み時間を使って毎日リレーをしています。
 サッと校庭に出て,サッと走って,サッと教室に戻ります。
 
 リレーが終わると,子どもたちはトイレ・手洗い・うがいをして教室に戻ります。 
 一緒に校庭に出ていた担任も同じようにします。
 授業が始まります。空席があります。
 廊下から話し声が聞こえてきます。
 遅れてきた子どもは着席している友達を見て,バツが悪そうにします。

 遅れてきた子ども達を廊下に出します。しばし,説教です。
 遅れた理由は聞きません。
「先生もみんなと一緒に校庭にいたよね。トイレ・手洗い・うがいをしてから教室に戻ってきたんだよ。
 君たちは?」
 誰も挙手できません。手洗いなどをせずにダラダラと喋りながら戻ってきたです。
 仮に挙手したら,
「同じことをやっているのにどうして遅いの?先生は膝が痛いことを知っているよ。だからゆっくり歩いて来たん だよ」
と制します。
 いずれにしても子ども達が言い訳,いや,言い逃れができないように先手を打ちます。
「遅れた真っ当な理由は無いのですね」
 子ども達は神妙に頷きます。
 
 ここで「じゃあ,どうすべきだった?」と聞けば「喋らない」「走る」とお決まりの答えが返ってきます。
 実は,この回答は改善に役立ちません。
 

 ここからが説教の本番です。
「君たちよりも早く戻って来た人と君たちとの違いは何ですか?」
◎「走って戻る」「喋らない」「『一番』を競って教室に戻った」
×「ダラダラと歩く」「喋る」「肩を組んで歩く」「友達を待っていた」
「決定的な違いは何?」
 気づきません。

「それは一人で行動することです」
 合点がいく子ども。「?」と首を捻る子ども。
「一人で喋れますか。一人で肩を組めますか」
 首を振ります。
「先生よりも先に教室へ戻ってきた友達は『一人』で行動しているよ。
 君たちはお友達と一緒だよね。
 二人とも遅いということは無いと思います。どちらかが遅いのです。
 絶対にどちらかは『良い子』です。 
 一人だけ叱られればすむことを『待つ』から二人とも叱られるのです」

 この説教,時間にして3分もかかっていません。

 実はこの説教,思わぬ効果があります。
 教室で待っている子ども達は静かに自主勉強をしています。
 ここで喋ったり,遊んだりしているととばっちりを食うことを子どもたちは知っているのです。
 また,「一人で戻って来てよかった」と自分の行為の正しさを実感します。


 翌日,私よりも遅く教室へ戻ってくる子どもは皆無です。

 「褒めるために叱る」,全員を褒めます。

「今日は全員が先生よりも早く教室へ戻ってきて偉い!」


 

Category: 授業
比喩で用語を教える
 6年生の社会は歴史を教えています。
 今月は「武士の起こり」です。

 貴族というと寝殿造り,贅沢というイメージです。
 政治家というよりも遊興人と子ども達は思っています。

 そこで,武士をSPに例えました。
 SPは映画やテレビで人気の番組です。
 岡田君が主演なので子ども達は「SPなら知ってる」と目が輝きます。
 
「SPは昔の武士と同じです。日本にとって大事な人を守る仕事をしています」
「じゃあ,菅総理大臣は誰ですか?」
「貴族です」
「えっ,貴族って政治家なんだ!」

 今の政局に話題が移ります。
「でも,菅総理大臣は大変だよね」
「そうそう,辞めさせられるのでしょう」
「昔も今もやっていることは同じだね」
「うん,今は話し合いで総理が変わるけど,昔もそうだったのかな」
「ちがうよ。戦うんだよ」
「そうか,だからSPの力が増したんだ」

 こうして武士の起こりと台頭について勉強しました。

 理科では,栄養を一時的に蓄える肝臓を「栄養銀行」と命名します。腎臓は「下水道」,大腸は「ゴミ収集車」です。
 子ども達にとって身近なものに例えると,新しく勉強することでもすんなりと理解できます。

Category: クラス作り
気づいたことが偉い
 始業前のことです。

 職員室を出て,教室に向かうと,WさんとKさんが少し前を歩いていました。
 「おはよう」と声を掛けようと思った時,二人がしゃがみ込みました。
 どうしたのだろう,と足を止め,見入ってしまいました。
 
 二人は他のクラスの廊下に落ちていた体操服や絵の具を拾って,フックに掛けていたのです。
 自分の荷物ならわかります。
 彼女たちが掛けた荷物は他のクラスのものです。

 子どもは物が落ちていると,無意識に跨ぎます。飛び越えます。踏んづけます。
 拾おうとしません。
 悪気があってそうしているのではないのです。
 本能的にそうしているのです。
 だから,ダメなのです。だから,悪いのです。

 ある子どもは教師の足を踏んでも,素通りします。
 子どもってそんなものです。


 私は教室移動の時,子どもたちの先頭を歩くのですが,廊下に物が落ちているとフックに掛けます。
 子どもの歩みはその度に止まります。
 まさに教師の後姿を見て,学びます。 
 そんなことを繰り返していると,子どもの方が先にそれに気づきます。
 フックに掛ける子どもに「よく気づいたね。ありがとう」と声を掛けます。

 そういったことが今回のことに寄与しているのでしょう。

 その日の朝の会で二人の善行を紹介しました。
 また,分析を示しました。

 ◇廊下に物が落ちていることを気づいたことが偉い。
 ◇それをしゃがみ,拾った行動化が偉い。
 ◇さり気なく拾い,自慢しないことが偉い。
 ◇習慣,定着している。つまり,身についる。

 中でも,「気づいたことが偉い」と褒めました。




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ジョー3

Author:ジョー3
城ヶ崎 滋雄です。
小学校の教員です。

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